元・広島カープの鉄人衣笠祥雄はこのように言っています。

「ひとつハードルを飛び越えられれば、必ずひとつ力がつく。
それが自信になって、次にはもう一段高いハードルを越えられる。

入力フォームだって同じだよ。」

こんにちは、倉橋です。
私は以前、証券会社のお客様を数社担当していたのですが、その際に証券業界で起きた「ハードル」を飛び越えさせる工夫がムーブメントを呼んだのでご紹介します。

オンラインで証券口座を開くには

まず、オンラインで証券口座を開こうとすると次のようなステップを踏むのが一般的です。

①証券会社の口座申込み画面から必要項目を送信

②証券会社から必要書類が届く

③書類に捺印して、身分証明書のコピーと共に返送する

④証券会社からメールもしくは郵送でログイン用の情報が届く

⑤ログインして利用規約に同意後、口座開設完了

と、長いステップが続いてしまうわけですが、口座開設数はどこの証券会社にとっても重要な目標であり、その為、「口座開設した方に×××円キャッシュバック」とキャンペーンにも力を注いでいます。

諦めたくなる項目数

1番大変なのは、①で多くの項目を入力しなければいけないところです。その内容は、主に次のものです。

・名前、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報
・勤務先名、勤務先住所等の勤務先情報
・内部者(インサイダー)に関わる情報
・入出金に使う金融機関の口座情報
・投資経験や、特定口座に関するその他の情報

これだけの内容を入力するには、かなりの根気とモチベーションが必要でしょう。
事実、当社で測定した証券会社の離脱率は他の業界と比べてかなり高いものでした。

高いハードルを後回しにしてみた

そこで、ある証券会社が行った施策は、①で入力してもらっていた多くの項目を必要最低限まで減らし、まずは仮の口座開設だけをしてもらうという方法でした。

初回に入力してもらうのは、名前、住所、メールアドレス等の、本人にコンタクトが取れる最低限の情報に限ります。

そして、身分証明書写しを証券会社に送れば、ログインができるようになり、ここで、残りの詳細情報を入力してもらいます。
これが完了すると、そのまま取引を開始できます。

つまり、取引を開始するまでの、入力作業は変わらないのですが、もっとも高いハードルを後回しにしたのです。

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そして、その結果は、以前にも増して取引開始できる口座数が増加したのです!
この施策は、瞬く間に他の証券会社にも広がりました。

走り始めたランナーに対して、いきなり高いハードルを設けると、諦めてしまうのですが、低いハードルを何度かこなすと最後の高いハードルも越えられる人が多かったということです。

他の業界でも、まずはコンタクトを取って、その後に詳しく情報を得る。という方法が成約率アップに繋がるかもしれませんね。

イメージ写真はクリエイティブコモンズ・ライセンスに基づき掲載しています。 写真掲載元:William Warby